
世界で最も美しいといわれるカナダのプリンス・エドワード島を舞台にしたモンゴメリ作
の青春の名作「赤毛のアン」が、近くの映画館で立て続けに上映された。
原作110周年記念として、3部作が昨年から映画化され、その第二部「初恋」と第三部「卒
業がこのほど連続公開されたものである。
ワイフが子供の頃むさぶるように読んだ作品の映画化とあって、後ろにくっつきながらデ
イズニーランド併設の舞浜シネマイクスペアリに足を運んだ。
「初恋」でのアンは、孤児院を出て育ての親代わりのマシュウ、マリラ兄妹と暮らし始め
て2年目、もう子供ではないがまだ大人でもないという13歳の複雑な年ごろである。
パンケーキに洗剤を間違えて混入させるなどいろいろ失敗を繰り返しながらも想像力が豊
かで純朴な彼女は、人生の大先輩である老婦人や進歩的な女性教師、聡明な牧師夫人たち
との出会いで人間として成長していく。
一方で、気の置けない心の友ダイアナたちとのはじけるような笑い声に包まれながら、互
いに好意を抱きつつもなかなか思うようにはいかない男子生徒ギルバートとの友情にも次
第に淡い恋の色がつき始めてくる。
「卒業」では、アンは教師を目指し、ギルバートと町の学校を受験して二人とも見事優秀
な成績で合格する。仲良しのダイアナとも別れ初めての下宿生活でホームシックにかかっ
たりするが、猛勉強のかいあって悲願の大学奨学金を獲得して卒業、将来への夢を膨らま
せる。
そんな矢先、突然敬愛するマシュウが倒れ、深い悲しみのなか、傷心のマリラを支えなが
らも思い出いっぱいの我が家グリーン・ゲイブルズ家をどうするか?難問が待ち構えてい
る。
いったんは進学をあきらめるが、ギルバートの粋な計らいや周りの人たちの助けも借り、
この危機をたくましく乗り越えていく。
原作では、アンとギルバートの学園生活、そして成人してからの二人の別れと再会、さら
に幸せな結末へと物語は長く続くが、今回の映画三部作はこの「卒業」までで余韻を残し
ながら終わる。
この上なく美しく、みずみずしい青春のほとばしりに心がほどけ、時間がたつのを忘れさ
せてくれる佳作である。
若者よりもむしろ中高年の観客が多く、老年カップルも少なくなかった。