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出来事

ヤマモモの季節

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この季節になると、待望のヤマモモの実に出会うことが多い。

生り年と生らない年があるが、今年はどうやら生り年らしく、いろんなところで見かける。

かつて幼少期を過ごした鳥取の田舎家の庭にヤマモモの大木があり、近所のガキ大将たちと木登りを競いながら、口の中が真っ赤になるほど食べた懐かしい思い出がある。

4~5年前、故郷の墓参に帰郷した際に、懐かしい我が家(今は地域の遊園地となっている)に立ち寄ったところ、あのヤマモモの大木は切り株だけを残し、まったく姿を消しており、幼時がよみがえり、しばらくその場に立ちすくんでいたことがある。

その時は、大好きなフォークシンガー山崎ハコのヒット曲「望郷」の「ふるさとあの我が家は、今はもうない・・・」という寂しい歌詞がよみがえり、涙がこぼれるのを抑えられなかった。

この時期には、スイカやブドウ、イチジク、ビワなどが所狭しとスーパーの果物コーナーをにぎわしているが、ヤマモモはマーケットに出回らないので、「幻の果実」とも呼ばれる。

ブドウ糖、クエン酸、カリウムなどが含まれ、疲労回復やエネルギー補給に効果的といわれ、アレルギー体質の人にも効能があるとされている。

近くの大学のキャンパスにあるのは、学生が見向きもしないので、鈴なりに生ったままだが、街路樹や公園の樹木はさすがに手の届くところの実はなくなっている。

毎朝出会うラジオ体操仲間にヤマモモの実の話をしたところ、今なお白髪の紳士として衰えを感じさせない芦屋育ちの90歳の人生の先達からは「いっぱい落ちてますね」「食べられるんですか?」と尋ねられ、また同じ体操仲間の栃木生まれの60歳とはとても思えない若々しい女性仲間からは「どんな味ですか?」「苦いんじゃあないですか?」と聞かれ、「甘酸っぱくてとてもおいしいです。赤よりもむしろ紫色のがいいですよ」といっぱしの通ぶって解説したりしている。

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