
年末の休みを利用して、初めて近代国家に変貌したシンガポールに足を踏み入れた。
世界最大級の国際空港を降り立つと、ほどなく近代都市のビル群が目に飛び込んできた。
アジアの金融メッカは今も勢いを失わず、1984~85年日銀外国局係長勤務時代、まだ勃興期のMAS(Monetary Authority of Singapore シンガポール中央銀行)の若手金融マンたちに「日本の金融制度や外国為替の仕組み」につい<て集中講義したころが懐かしく思い出されてきた。
マレーシアの先端に位置するこの国は、1858年英の植民地となり、1942年から3年間日本軍に占領されるが、再び英領に復帰、1959年には独立国としての地位を獲得する。東京並みの国土に約5百万人が住んでいるが、中国、マレーシア、インド、英国、日本等の多民族国家でもある。
自治・独立以来長くこの国をリードしてきたリー・クアンユー首相の手腕により近代都市国家としてとりわけ金融、貿易面で目覚ましい発展を遂げており、巨大なハブ空港や広大なコンテナーヤードといったインフラをはじめ、巨大なホテル群や華やかなカジノ場などにその姿が垣間見え、一方で日本に見習ったといわれる治安の良さや清潔な街づくりにも目配りがなされている。
駆け足の旅ではあったが、中心街から主だった観光地(セントーサ島)へはタクシー移動が料金も含め便利で、オフィス街がクリスマス休暇中もあって効率的な周遊が楽しめた。
メインのマリーナベイクルーズ、マーライオン、ナイトサファリをたっぷり堪能したほか、フリータイムでは、下町のチャイナタウン、リトル・インデイア、アラブ・ストリートといった裏通りのほか、ガイド説明のなかった旧日本軍との最後の交戦地「シロソ砦」にまで足を延ばすことができた。
赤道にほど近い常夏の国から、厳冬の国へ、機内でTシャツから様変わりのダウンコートに着替えながら短い旅を終えた。