
猛暑続きのため、今回はひんやりとする「かき氷」でしばし。
東京駅近くのビル街地下においしいかき氷屋があった。
しばらくぶりに足を運んだところ閉店していた。
わかりにくい場所にあり客も少なかったので心配していたが、この猛暑が始まる前にあえなくダウンしていたのは惜しまれる。
店づくりは上品ではあったが、地味で目につきにくく、PR不足は否めなかった。優秀な学者が優れた仲間たちと立ち上げたベンチャー企業が、マーケッテイング不足からビジネスが軌道に乗らず惜しまれつつ消えていったケースがいくつかあるが、どこか似ているよう思う。
「かき氷」の語源は東京方言の「ぶっかきごおり」に由来、削り取った氷に水飴やコンデンスミルク、シロップなどがかけられるが、好みにより宇治抹茶やイチゴ水、レモン水などが用いられることも多い。
関西では甲子園名物の「かちわり」があるが、これは氷を砕いただけでシロップ類は使われない。
ちょっとしゃれて「フラッペ」(仏語)という言い方もされるが、厳密にはクラッシュドアイスにリキュール(酒類)が混ざったのが「フラッペ」のようである。
日本版「かき氷」の歴史は古く、平安時代清少納言の「枕草子」の「あてなるもの」(上品なもの)の段に「削り氷にあまづら(甘葛)を入れて新しきかなまり(金椀)に入れたる・・・」のくだりがあるが、すでにこのころから高貴なみやびとはこの絶妙な味を嗜んでいたとみられる。
聞きかじりの「かき氷」由来を紹介したところで、最後に著名な俳人である辻桃子編の俳句歳時記から「かき氷」にちなんだ句をふたつ。
潮風や ブリキの匙の かき氷 (岡とも子)
宇治金時 みどりの水と なりにけり (辻桃子)