
平成が終わろうとしているが、始まって間もないころ(今から30年前)、二年半ほど釧路
に赴任していたことがある。
たくさんの思い出があり、北海道は懐かしい土地である。
温泉が多く地震災害は少なくない地域(1993年釧路沖、1994年釧路、2003年十勝沖)な
がら、在任中は幸い見舞われなかった。
ただ、離任間もない平成5年(1993年)、奥尻島で地震による大津波が発生、多くの犠牲
者が出た(死者・行方不明者230人で道内では最多)。
早速縁故者を募ってお見舞いにはせ参じ、鎮魂の祈りをささげた。
この度の千歳空港にほど近い道内南西部の厚真町の地震は勇払(ゆうふつ)平野が広がる
のどかな田園地帯である。
専門家の解説では「火山灰が黒土層の上に数万年かけて1~2メートルの厚さに積もった
ところが強い揺れで火山灰が斜面上部から一気に崩れ落ちたためで、熊本地震に似ている
」とのことで、山裾の民家が被害にあわれたようで、崩落でむき出しになった褐色の山肌
があちこちに隆起して痛々しい。
道内最大の震度7という激震で道内全域の停電・断水や空の大動脈である千歳空港閉鎖な
どインフラ面の被害も大きかった。
自衛隊による救助活動が懸命に続けられているが、今なお多くの避難生活者がおられ、早
急な復旧を祈るばかりである。
人口密集地域や津波沿岸地域では、関東大震災の105千人、東日本大震災の24千人、阪神
淡路大震災6千人と多くの犠牲者が出たが、今回はこれほどの人的被害がなかったところ
が不幸中の幸いではある(9月7日現在死者19人、安否不明者22人)。
1960年に起こった世界最大規模(マグニチュード9,5)のチリ地震では人命被害は62人
にとどまったが、2004年のスマトラ沖地震(マグニチュード9,1)では津波被害がひど
くリゾート客も巻き込んで220千人もの死者・不明者が出ており、自然と向き合う人間の
生きざまにもいいろいろ考えさせられるところが少なくないように思う。