
毎朝近くの広い公園で30人程度でラジオ体操をしているが、隣接マンション在住の親しい仲間7人とは体操で体をほぐした後、週一でマンション内にある「入西(いりにし)公園」に立ち寄り、ごみ拾いボランテイアをしている。その中で特に親しくしているEさん(75歳、元大手ゼネコン勤務、物書きと論語の素読が趣味)とMさん(85歳、元大手製薬会社勤務、句作とカメラが趣味)は、多趣味で話題も奥深く、体操後の歩きながらのとりとめのないダベリが特に楽しい。
毎日のようにパソコンに向かって心に映るよしなしごとをワードに書き残すのが大好きなEさんは、いろいろな作品に仕上げてはものにしておられる。
某中央紙に「朝腫れエッセー」という読者投稿の心温まるエッセー欄があり、気に入って読んでいるが、Eさんもこのエッセーが気に入り、「ラジオ体操仲間の女性がたから時々春の野菜や夏みかんをもらうことがあるのでそれをこのエッセー欄に投稿しようと思うがどうかな?」と相談されたことがある。「いい試みだが、やはりご自身の心温まる実体験を得意の筆力で書き綴られてはどうでしょうか。読者の心にも響くように思いますが?」と率直な気持ちを申し上げた。
「あなたから直接お伺いした実体験の中で、以下の二つのお話はあなたの生き様やさりげない思いやりの気持ちがじんわりとと伝わり、聞いていて心が和みました。それをそのまま筆に乗せられてはどうでしょうか?」と付け足した。
一つは、とある晴れた日の午後、自宅からちょっと離れたところにある市役所に出向いた折の出来事。市役所での用事を終え、近くの公園で一休みしていると、全く面識のないおばあさんが困った顔をして近寄ってこられ、「道に迷い自分のうちにどう帰ればいいのかわからなくなりました」とのこと。近くの交番を探したがなかなか見つからない。困ったときはお互い様と思い、Eさんはこのおばあさんと一緒に歩きながら、大きな声で「皆さんご自宅がわからなくて困っておられますお年寄りがおられますが、皆さんの中でご存じの方はおられませんか?」と呼びかけながら歩いていたところ、ほどなくして「ああそのおばあちゃんならご自宅はあちらですよ」との声が聞こえ、ほっとしました、とのこと。
今一つは、このEさんの奥さんは特に裁縫が好きで、ミシンが手放せない。とある日、やはりラジオ体操仲間7人にエプロンをミシンで縫ってこられ、皆がとても喜んでいたことがある。ところがこのEさんの奥さんが大好きなミシンが老朽化で動かなくなり、愛妻家のEさんはお住いの浦安市内を探しまわったが見つからず、隣町まで探しに出かけようやく一軒の小間物屋を見つけ、「家内はとても喜んでくれた」とのこと。この心温まる話を聞き10年前に愛妻を亡くされたおひとり様暮らしのMさんは早速得意の俳句にして「入西(いりにし)の 連理の契り いつまでも」と詠んでプレゼントされたというお話を聞き、お二人の趣味の深さとさりげないやり取りの風景が浮かび、心のぬれる思いがした。