
コロナ騒動、九州の豪雨と暗い話が多い中で、久しぶりに明るい話で日本列島も沸いた。
将棋界に藤井七段という弱冠17歳の若手スーパースター誕生である。
当日、多くのマスコミが「将棋の新時代告げる快挙」「将棋界の枠超えた活躍」「異次元の終盤力」「勝負飯は故郷の味噌煮込みうどん」「あくなき探求心」「AI時代も盤上物語は不変」など絶賛記事満載の中で、あの羽生永世7冠(50歳)の「古き皮袋に新しい酒」の寄稿が目を引いた。
ここでは「藤井棋聖は、12歳の平成27年、奨励会2段でプロ棋士参加の詰将棋戦で見事優勝して大評判に、翌年には62年ぶりに加藤一二三さんのプロ入り最年少記録を更新、今回の棋聖戦では古典的な相矢倉(アイヤグラ)戦法を駆使しつつも、手筋の5筋歩突き(フツキ)をあえて避け、令和時代にふさわしい戦法を様々な局面で展開、終盤では一つ間違えれば負け、ソフトの中間評価も99対1という劣勢の中で勝ちをもぎ取った背水の戦い、充実した奮闘ぶりに舌を巻く」と高く評価している。
はにかみがちのソフトな語り口ながら、師匠の杉本8段からいただいた羽織袴姿で対局するなどさりげない気配りも胸を打つ。
しかも、目下実力ナンバーワンとされる渡辺棋聖を破っての最年少タイトル保持者誕生である。
渡辺棋聖の奥さんが漫画作家の伊奈めぐみさんで、「将棋の渡辺君」というほんわかとした面白そうな作品があると聞きつけ、早速近場の書店に足を運んだところ、「人気沸騰で在庫がありません。予約されますか?」とのこと。既刊の4冊をすべて予約、連絡を心待ちしているところである。
ところで、師匠の杉本8段はもちろん、羽生名人そして最年少記録を奪還された屋敷8段、さらにはいまや将棋界の「加藤一二三」爺さんタレントまでひっぱりだされ、将棋界は人気急上昇中である。屋敷8段の「私は最年少記録更新の全盛期直後に有頂天になり酒とボートレースにはまったのが悔やまれる」との回顧談もなかなか奥深くて人生訓がじんわりと伝わってくる。
どちらかというと囲碁好きの小生としては「全盛期の井山7冠(31歳)のほかに、若手の芝野虎丸九段(21歳)、藤沢里菜女流名人(22歳)あたりに期待しているが今一つパンチ不足、棋界の藤井七段をしのぐ次代のスーパースター誕生はないものか?」と心待ちしている今日この頃である。