
週末といえば、ワイフとの映画鑑賞が楽しみとなっている。帰りは新しくオープンしたばかりの讃岐うどんで軽めの夕食を済ませ、映画評をだべりながら暗くなった階段を下りて帰宅する。
今週は、若手実力俳優の松坂桃李が福井藩の藩医笠原良策(実在)として熱演する「雪の花」である。準主役としてあの役所広司が京都の蘭方医日野鼎哉(実在)として活躍、当時不治の伝染病とされた天然痘の牛種による免疫開発に取り組む。長崎で開業のオランダのシーボルト博士に学び、理解ある側用人の尽力で藩主の認可を取り付けるまでの汗と苦労の物語である。
吉村昭の原作があり、先般のコレラ騒動をほうふつとさせる天然痘の流行、時代が時代だけに流言飛語にほんろうされながら、ひたむきに乳幼児の病魔克服に取り組む良策は鼎哉の「名を求めず、利を求めず」の精神を胸に、幕府からの御殿医登用の招請も「故郷の子供を救いたい」と断わる。
監督・脚本は、黒澤明を尊敬してやまない気鋭の小泉堯であり、脇役として吉岡秀隆(藩医仲間)や芳根京子(良策の妻)、三浦貴大(側用人に取り次ぐ藩医、三浦友和の次男)などが登場して彩を添えている。
昭和56年冬、サラリーマン時代に家族ともども住んだことのある福井での18年ぶりの豪雪、足羽川のせせらぎ、越前和紙を漉く場面などが映し出され、ワイフともども「あの頃は若かったね」と話が弾んだ。