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宮沢りえの「決戦は日曜日」を観る

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あまり取り沙汰されていないが、隠れたいい作品に出合った。

宮沢りえと、朝ドラで一躍有名になったナウい若者・窪田正孝がそれぞれ「民自党」という架空政党の世襲候補者とその秘書という役柄で、新時代のポリテイカルコメデイ「決戦は日曜日」というスカッとする選挙映画をにんまりと笑いながら楽しんだ。

千葉県のとある地方都市で、谷村勉(窪田正孝)は、この地に強い地盤を持ち続ける古参政治家の私設秘書として経験を積み、中堅として「仕事には特別な思いはないが暮らしていくにはまあまあ満足な仕事」と秘書業を淡々とこなしていたところ、この古参議員が病に倒れ、同じタイミングで衆議院が解散、父親の後継候補として一人娘の有美(宮沢りえ)に白羽の矢が当たる。政治にはずぶの素人で、なぜか一途な熱意だけがある素っ頓狂なこの有美に、秘書や後援会、大企業幹部等取り巻きは振り回され、てんやわんや。政界に古くからはびこる陋習をぶち壊そうと、挑戦しては壁にぶつかり、飛び降り自殺まで試みるが思うに任せず、挙句の果て有美と谷村がようやくたどりついたのは、「選挙に落ちること」というとんでもない結論。

さて選挙戦の行方は?「選挙に負けようと画策すればするほど人気はうなぎのぼり。果たして見事落選できるのか?」これから映画館に足を運ばれる映画ファンのために結論はマル秘にしておきたいが、なぜかかって都知事選で一切選挙運動を行わず並みいる候補者を見事吹き飛ばした故青島幸雄知事(青島ダアー)のことが、尊敬するコメデイアン故植木等とともに懐かしく思い出されてきた。

「世襲」「忖度」「わいろ」「ミサイル」「独裁国家」、そして「コロナ騒動」、このところ相次いで噴出するどろどろした内外政治の舞台裏が軽妙かつコミカルに展開されるほどに、「平和ボケで笑っている?・・・場合じゃないかもしれない。現代の日本に生きるすべての人に贈る大切な物語」として深く考えさせられる。

36歳の気鋭映画監督坂下雄一郎は、東京芸大院卒の映像クリエーターのキャリアも生かして自ら脚本を書き下ろしており、配役陣にも脚本に共鳴する窪田君や宮沢りえのほか、くせ者ぞろいの秘書軍団に今最も勢いのある若手俳優・赤楚衛二君をはじめとして内田慈、小市慢太郎、音尾琢真など人気・実力派の脇役陣が加わり、それぞれの役どころをシニカルかつコミカルに演じており、作品に一層の軽快さと厚みを増している。

名うてのジャーナリスト池上彰も本作品に深い関心を示し、「コメデイとはいえ、この映画には、政界の『真実』が含まれている。これでいいのか。映画を観たあなたも有美の絶望を共有してみませんか。そこから現状を変えようという動きも出ようというものです」と声高に語る。

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