
今年の桜は例年よりも早かった。
上野公園や近場の桜並木、美浜公園、若潮公園でしばし桜と戯れたが、早くからセットしていたいくつかの同窓会での桜見物は山場を過ぎていたため、いずれも「花より団子」の集いとなった。
それでも、ソメイヨシノは無理だったが、枝垂桜や八重桜には間に合い、俳句愛好家の仲間はいくつか心にしみる名句を披露してくれた。
短い桜の季節が過ぎると、早くもつつじやチューリップのあでやかな色が疲れた目をいやしてくれる。
若葉の緑も目にまぶしい。春まだ浅き頃はどことなく薄緑の若葉だったのが、季節が深まるにつれ緑も深くなるように感じられる。
ある春先のこと、紅葉の細い枝を子細に見ると、葉の隙間に小さな花が咲いていた。秋の紅葉も春には他の木々に負けじと花を咲かせているのがいじらしい。
色とりどりの春の息吹は植物だけでなく、動物たちからも伝わってくる。
いつもの早朝散歩のコースに、小さな動物園がある。
冬の間は、「動物たちが風邪をひくといけないから」という飼育員の配慮からか、ほとんど姿を見せなかったが、4月に入ったある日のこと、このミニ動物園に鮮やかなオレンジ色のショウジョウトキが姿を見せた。
数えてみると昨シーズンと同じ6羽が、そろってバードゲージにそれぞれ自慢のポーズで羽ばたいていた。
周りの緑とのコントラストが絶妙で、散歩の足を止めてしばらくうっとりと見とれていた。
もちろん、スマホを使って次々とシャッターチャンスを狙い、携帯の待ち受け画面にも保蔵した。
梅雨から初夏に向かってアヤメやアジサイのシーズンを迎えるが、今から雨露に光った紫やピンクの花びらが楽しみであり、花を求めてやってくる蝶々や鳥たちのさえずりも待ち遠しい。
そういえば、食卓にもタケノコやゼンマイ、ワラビといった春の山菜が並び、目や耳だけでなく舌にも春の訪れが感じられるようになってきた。