
いつものシネコンでお目当ての「少年と犬」を観ようと小雨の週末に足を運んだが、すでに上映期間が過ぎており、同じような時間にやっていた「コンクラーベ(教皇選挙)」を観ることとした。意外に観客が多く、しかもローマ法王庁トップ選挙を巡り、密室で繰り広げられる権謀術策の数々が面白くて、まどろむ間もなく引き込まれるように見入った。
カトリックの総本山の聖地バチカンが保守派とリベラル派の対立で大きく揺れ、数日間にわたりコンクラーベを繰り返しつつ最後はとんでもないどんでん返しが待っており、現代政治をも彷彿とさせるポリテイカルスリラーとして仕上がり、予想外の大当たりであった。
やはり名うての作家兼ジャーナリストのロバート・ハリスの原作が下敷きにあり、メガホンをとったのが名作「西部戦線異状なし」のエドガー・ベルガー監督、そこへ「嵐が丘」のヒースクリフ役や「シンドラーのリスト」ナチス将校役で名をはせた英名優レイフ・ファインズ(ローレンス首席枢密卿)を筆頭に、イザベラ・ロッセリーニ(シスターアグネス、イングリット・バーグマンとロベルト・ロッセリーニ監督の愛娘)など実力派俳優たちが豪華に絡んでおり、洋画不況を吹っ飛ばす久々の痛快エンタメ作品となっている。
世界的な話題作で、本場米国アカデミーでは主演男優賞など8部門にノミネートされ堂々4冠に輝いたほか、ゴールデンブローグも受賞、英アカデミーやカナダトロントでも作品賞などを受賞しており、今後も各国でのロングラン上映が期待されている。
ぶり返した寒さをしのぐため、いつもの讃岐うどんで温かい夕食を済ませて帰る途次、マンション内エレベーターで出会った旧知の老人会仲間にも、「なかなか面白かったですよ。お隣のシネコンで始まったばかりですからお時間があれば・・・」とすすめ、久しぶりに話が弾んだ。