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藤井総太名人誕生と心和む秘話

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プロ野球界のスーパースター・MLBエンジェルス大谷翔平二刀流に続いて、将棋界でもこ

のほどニューヒーローとして藤井総太名人が颯爽と誕生した。

共に弱冠20歳台で、洋の東西を席巻しての大活躍に列島挙げて拍手の波がとどまるとこ

ろを知らず、話題の渦に巻き込まれたマスコミの熱狂ぶりも半端ない。

ここでは、藤井名人の誕生と彼を取り巻く将棋界屈指のレジェンド3人からの賛辞が特に

心に残ったので、秘められたエピソードも拾いつつアトランダムにご紹介してみたい。

羽生善治・・・将棋界では「木村義雄」「大山康晴」「中原誠」という名だたる名人が歴史に刻まれており、将棋ファンならずとも広く知られているが、こうした先達をしのいで一時代を築いたのが「羽生善治七冠」である。棋界初の国民栄誉賞受賞としても名高く、このほど連盟会長に就任した。54歳という年齢ながら、なお現役九段で、先日は年齢差24歳の藤井君と「王将戦」の座を巡って激闘、惜しくも敗れている。羽生九段は19年間にわたり何らかのタイトルを保持し続け、タイトル獲得数は99期で100期目前という大記録を樹立、さすがの藤井青年もこの大記録を破るのは至難の業である。羽生名人の藤井賛歌は奥深く、AI時代の生んだ寵児藤井名人が将棋界に巻き起こしてくれた旋風に拍手喝さいである。朝ドラ女優の畠田理恵嬢との結婚でも沸いたことがあるが、彼女も一世を風靡した夫に「あなたが全盛期に見せた眼光の輝きや怖さが今となっては懐かしい」と時折げきを飛ばされているとのことである。

谷川浩二・・・谷川17世名人(61歳)が最近著した「藤井聡太論」の名著が秀逸である。冷静で思いやりあふれる穏やかな語り口が魅力的で、インタビューの際の誠実で丁寧なトークを聞くたびに、すばらしい人柄に引き込まれ心が濡れてくる。藤井少年が小学低学年時代、神戸生まれで関西棋士の谷川名人が手ほどきしたことがあり、さすがに劣勢に追い込まれた藤井少年に「この勝負は引き分けにしようか?」と持ち掛けたところ将棋盤にうつ伏して泣き止まずやむなくお母さんが迎えに来てくれようやく将棋盤から離れた、というエピソードも広く知られている。藤井少年は負けん気が人一倍強く、谷川名人も「自分も兄に負かされるといつまでも将棋盤から離れたくなかった悔しい思い出がある。この少年もきっと棋界を背負う逸材になる」と確信したという。今回の藤井名人誕生により谷川名人の最年少名人記録がなんと40年ぶりに塗りかえられたが、「彼に破られて本望」と賛辞を惜しまない。

渡辺明・・・藤井名人誕生までは、現役最強棋士と称され、直近まで全八冠中の半分の四冠を制していた。奥さんの伊奈めぐみさんがなかなかの漫画家で、「将棋の渡辺くん」(講談社刊)という4巻物漫画本はほんわかとした実話のストーリーと優れた筆致で素晴らしい。「ぬいぐるみ」が大好きで、今や関西きっての「将棋の街」として名高い大阪高槻市での名人戦第3局高槻城公園での対局時にはファンから大きな「ぬいぐるみ人形」を贈られ大事そうに抱えて歩く渡辺君の姿がほほえましかった。この「渡辺くん」は藤井君に次々と「冠」を奪われ、今回の敗北で「無冠」になってしまった。落胆ぶりは痛々しく一時「引退説」も流れたが、奥さんの漫画本を通してのやんわりとした励ましもあり、まだ39歳の彼は藤井君にすべて奪われた「冠」の座を一つでも奪還せんと今から秘策を練っているとのことである。

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