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ちょっと面白い二つの洋画

投稿日:2021年2月8日

とある週末、ワイフともどもコロナ気分晴らしに見た二つの洋画を徒然なるままにご紹介したい。

観客はいずれも老夫婦中心に10人から20人ほどで、ソーシャルデイスタンスどころかガラガラ状態で鑑賞環境は抜群であった。

ともに、肩の凝らない佳作で、老境の二人を主人公に描かれているが、ユーモアあふれ、軽快なハピーエンドが気持ちいい。

一つは、ロシア・イスラエル映画で「声優夫婦の甘くない生活(GOLDEN VOICES)」で、今一つはアメリカ・フランス映画で「43年後のアイ・ラブ・ユー(REMEMBER ME)」である。

前者は、ベルリンの壁崩壊直後の1990年、かつて住んでいたソ連に届いたハリウッドやヨーロッパ映画(いずれも「ローマの休日」「クレイマークレイマー」「スパルタカス」等超一流作品)の吹き替えで大活躍した声優夫婦(ヴイクトルとラヤ、いずれも60歳代)がイスラエルに移民するところから映画がスタートする。当代一流の名だたる洋画のスター声優であった夫婦の第二の人生は決して甘くはない。「危ない冒険(テレホンセックス相手)」や「いけない出会い(違法レンタルビデオ店勤務)」の連続で,ハラハラドキドキ、でも二人は共にことあるごとにいつもそばにいる「あの人」のことがたまらなくいとおしくなる。観終わった一流の声優役者たちからは一様に「ビタースイートで温かい大人の物語」とか「どんな時代、どんな場所でも素敵な言霊を誰かの心に届けられる表現者であり続けたいと再認識させられた」といった絶賛の声が続々寄せられる。2019年タリン・ブラックナイト映画祭で最優秀アジア映画賞、2020年バーリ国際映画祭で監督賞、女優部門特別賞を受賞するなど、アジア・中東映画界では秀逸の栄誉にも輝いている。

後者は、70歳の主人公クロード〈稀代の名脇役ブルース・ダーン)は妻を亡くし、ロサンゼルス郊外に一人で住む元演劇評論家、近所に住む親友シェーンと老後を謳歌していた。ある日、ひょんなことからクロードは忘れられない昔の恋人で人気舞台女優のリリイ(カロリーヌ・シロル、パリ舞台俳優)がアルツハイマーで施設入居中と知る。もう一度リリイに会いたいと強く思ったクロードはなんと親友と企みアルツハイマーのフリをして同じ施設に入居するという一世一代の嘘を思いつく。念願かないリリイとの再会を果たすも彼女の記憶からはクロードは完全に消し去られていた。クロードは娘のセルマや孫のタニアとも相談、毎日のようにリリイとのNYでの出会い、パリで過ごした甘い日々、思い出の花ユリの香りなどをプレゼントして優しく語り続けるが、彼女の記憶はなかなか戻らない・・・。そんなある日、昔リリイが演じたシェイクスピアの名作「冬物語」を施設で観劇することになり、愛孫のタニアと一緒にある作戦を実行する。見事にクロードとの思い出をよみがえらせた彼女はユリの花に囲まれながらダンスに誘い在りし日の愛を語り合うが、彼女には愛する夫が待っており、クロードは施設を追い出される悲しい現実が待ち受けている。

ともに、肩の凝らない穏やかな恋物語だが、老いの中にあたたかな心の通い合いがあり、日常を忘れてひとときのくつろぎをお勧めしたい。

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