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「侍タイムスリッパー」を観る

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 ラジオ体操仲間から勧められ、久しぶりに映画を観た。タイトルは「侍タイムスリッパー」という一風変わった作品であった。池袋のミニシアターで上映され、その後口コミで広がり、シネコンでも上映されるようになってきた話題作とあって、足を運ぶ観客も結構いた。

 時は幕末、主役の会津藩士の高坂新左エ門は、討幕軍名うての剣豪である長州藩士山形彦九郎と西経寺門前で死闘を繰りひろげているさなか、突然襲われた雷に打たれてそのまま気絶する。昏倒した新左衛門が時を経て目覚めたのは見知らぬ街であった。そこで不良浪人が町娘をかどわかそうとしている場面に出くわし、なかに割って入ろうとすると、助監督の山本優子から「あんた何やってんねん」と怒鳴られる。そこは、時代劇の撮影現場で、彼が守ろうとした徳川幕府滅亡からすでに140年もの年月がたっていた。もはや生きる屍と悟った新左衛門は、会津戊辰戦争の責任にさいなまれ割腹しようとするが、寸前のところで住職夫婦に救われ寺男として仕事をしつつ、撮影現場で出くわした助監督山本優子の口添えにより真剣を武光に持ち替え「時代劇映画の切られ役」として働き場を見出す。

 この作品で特に優れているのは、東映京都撮影所と劇中に登場する剣心会モデルの「東映剣」の面々である。かって時代劇全盛期の市川右太衛門や月形龍之介の殺陣を指導したプロ集団とあって、チャンバラシーンも息をのむ出来栄えで、作品の重みに欠かせない。

 ラストでは、「凋落した時代劇復活」をかけて、新左衛門は140年前に門前で刃を交わした剣豪彦九郎(劇中では現代の剣豪スター風見恭一郎役で共に時代劇愛が強い)と竹光でなく真剣で立ち会う迫力シーンが展開されるが、この結末には触れないほうがよかろう。

 以前「カメラを止めるな」というやはり自主製作の話題作品を観たことがあるが、それにも勝る出来栄えで、監督、役者など名もないメンバーの手作りミニ映画だが、関わった面々の映画愛が熱く伝わり、「不振の映画界に一石を投じた」なかなかの佳品である。

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